ガス軟窒化処理はアンモニアガスと少量のCO2ガスを添加した混合ガスの中400℃~600℃(通常は580℃)で処理します。窒素と炭素を同時に浸入拡散すると表面に炭窒化化合物層(ε層)が形成され内側に窒化拡散層が生成されます。
特徴
ガス軟窒化処理炉
ガス軟窒化炉
大型兼用炉
処理後のミクロ組織
S45Cの断面ミクロ組織
50µm
SCM435の断面ミクロ組織
50µm
ガス軟窒化処理の低炭素鋼、構造用鋼、工具鋼、鋼板等は広範囲に適用できる経済的な処理方法であります。また適用部品は各種ギヤ、シャフト類、ワッシャー類の精密プレス部品など多くの部品に適用されております。
当社はピット型炉で処理能力は少量から最大8tまでの処理能力を有しており、お客様の要求に対し満足いただける処理品を提供できます。
(参考)ガス軟窒化処理の適用材と表面硬さ
鋼 種 | 材 質 | 表面硬さ(HV) |
---|---|---|
一般構造用圧延材 | SS400,SPCC他 | 400~600 |
機械構造用炭素鋼 | S45C,S55C他 | 400~800 |
クロムモリブデン鋼材 | SCM各種 | 600~850 |
窒化鋼 | SACM645 | 900~1200 |
炭素工具鋼 | SK3,SK5他 | 550~800 |
熱間ダイス鋼 | SKD61 | 1000~1200 |
冷間ダイス鋼 | SKD11 | 1000~1200 |
鋳鉄 | FC、FCD | 580~900 |
処理後の硬さ分布