ADI処理とはオーステンパを施した球状黒鉛鋳鉄処理の略称です。鋳鉄材料は安価で、型鋳込みにより自由に形状を作成できますが低い強度が欠点でした。そこで高強度、高靭性、高延性、耐摩耗性などを付与するため、オーステンパ処理により鍛鋼品と同等の特性を持つ強靭鋳鉄ができます。
特徴
新型ADI設備の外観と仕様
処理前後のミクロ組織
処理前(パーライト+フェライト+黒鉛)
ADI処理後(ベイナイト+黒鉛)
当社水戸工場では1992年からオーステンパ処理加工を開始し高層ビル向け建築用継手、トラック用アイドラーギヤ、JR向け新幹線橋脚補強用定着金具など数々の重要部品を手がけて参りました。
国内ではADI処理加工を行っている企業も少なく、
当社では今まで培ってきた基本技術及び経験を活かし、
今後もお客様の満足・信頼を得る製品作りに邁進してまいります。
製品使用例
建築用継手
鉄筋継手取り付け作業状況
球状黒鉛鋳鉄品
種類の記号 | 引張強さ(MPa) | 伸び(%) | 参考 | ||
---|---|---|---|---|---|
硬さ(HB) | 主要生地組織 | ||||
球状黒鉛鋳鉄品 | FCD400 | 400以上 | 15以上 | 130~180 | フェライト |
FCD450 | 450以上 | 10以上 | 140~210 | フェライト | |
FCD500 | 500以上 | 7以上 | 150~230 | フェライト+パーライト | |
FCD600 | 600以上 | 3以上 | 170~270 | フェライト+パーライト | |
FCD700 | 700以上 | 2以上 | 180~300 | パーライト |
オーステンパ球状黒鉛鋳鉄品
種類の記号 | 引張強さ(MPa) | 伸び(%) | 参考 | ||
---|---|---|---|---|---|
硬さ(HB) | 主要生地組織 | ||||
オーステンパ 球状黒鉛鋳鉄品 |
FCAD900-4 | 900以上 | 4以上 | 277〜352 | ベイナイト+残留オーステナイト |
FCAD900-8 | 900以上 | 8以上 | 248〜352 | ベイナイト+残留オーステナイト | |
FCAD1000-5 | 1000以上 | 5以上 | 280〜388 | ベイナイト+残留オーステナイト | |
FCAD1200-2 | 1200以上 | 2以上 | 341以上 | ベイナイト+残留オーステナイト | |
FCAD1400-1 | 1400以上 | 1以上 | 401以上 | ベイナイト |